運動器系疾患

2022年04月19日 07:33

上肢痛

臨床上問題になるのは胸郭出口症候群をはじめとする絞扼性神経障害(エントラップ・ニューロパチー)や腱炎・腱鞘炎です。このほか、上肢帯の筋からの関連痛も多いと考えられます。関連痛の特殊なものとしては、上肢の尺側に狭心症の関連痛が現れることがよく知られています。
1.胸郭出口症候群
上肢痛の画像腕神経叢と鎖骨下動静脈からなる神経と血管の束(たば)が、胸郭出口部(斜角筋、肋鎖間隙、鎖骨下筋または小胸筋と胸郭の間隙)の組織の肥厚や筋の緊張、異常形成などにより圧迫されることで発症します。部位によって斜角筋症候群、頸肋症候群、肋鎖症候群、過外転症候群などに分けられることがあります。症状は上肢痛のほか、冷感、シビレ、脱力感、倦怠感などで腕を挙げると症状が憎悪するのが特徴的です。
○鍼灸治療方針:神経血管束が圧迫されている思われる部位の緊張の緩解、頚肩部筋スパズムの除去を目的に鍼灸治療を施します。
2.そのほかの上肢絞扼性神経障害
胸郭出口症候群同様、上肢の神経が走行中に圧迫されることによって起こります。円回内筋によって正中神経が、回外筋や短橈側手根伸筋によって橈骨神経が圧迫を受けることによって起こるものが代表的なものです。
○鍼灸治療方針:神経血管束が圧迫されている思われる部位の緊張の緩解、頚肩部筋スパズムの除去を目的に鍼灸治療を施します。
3.そのほかの上肢絞扼性神経障害
胸郭出口症候群同様、上肢の神経が走行中に圧迫されることによって起こります。円回内筋によって正中神経が、回外筋や短橈側手根伸筋によって橈骨神経が圧迫を受けることによって起こるものが代表的なものです。それぞれ、前腕および手指の正中神経および橈骨神経領域に痛みやシビレを訴えます。
○鍼灸治療方針: 絞扼している筋の弛緩をはかり鍼灸治療を施します。

記事一覧を見る