🦵 足三里と自律神経・迷走神経
• **足三里(ST36)**は胃経の代表的なツボで、古来「足三里で百病を治す」と言われるほど全身調整に使われる。
• 近年の研究では、足三里の鍼刺激が 迷走神経を介して副腎髄質を活性化 し、カテコールアミン(アドレナリン、ドーパミン)を放出させることが確認されている。
• この迷走神経—副腎軸(vagus–adrenal axis)は「抗炎症経路」として知られており、全身の炎症を鎮める方向に働く。
🧠 副腎とドーパミン
• 鍼灸刺激により副腎髄質から ドーパミンやアドレナリン が放出される。
• ドーパミンには 免疫調整作用 があり、過剰な炎症反応を抑制しつつ、必要な免疫応答は維持する働きがある。
• また、副腎からのホルモン分泌は ストレス耐性 にも関与するため、鍼灸によるストレス緩和効果はここにも結びつく。
🛡️ 免疫と炎症
• 足三里の刺激で 自然免疫(マクロファージ、NK細胞)や獲得免疫(T細胞) が活性化する報告がある。
• 特に迷走神経刺激を通じて「抗炎症性サイトカイン(IL-10など)」が増加し、逆に「炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6など)」は減少する傾向がある。
• その結果、慢性炎症を抑えつつ免疫力を高める 二重の作用が期待できる。
🌿 まとめ
• 足三里の鍼灸刺激 → 迷走神経を活性化
• 迷走神経の信号が副腎に伝わる → ドーパミン・カテコールアミン分泌
• ドーパミンなどが免疫細胞に作用 → 炎症を抑制し免疫を調整
• 結果として 抗炎症・免疫活性化・ストレス耐性強化 が同時に得られる